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どんなにしつけのできた猫でも、粗相はたまに起きます。そして猫の尿のにおいは強く、しつこい。
漂白剤をまく前に、家具を捨てる前に、カーペットを剥がす前に。洗剤の選び方で結果はかなり変わります。落とし方の手順そのものは部屋が猫のおしっこ臭いときの消し方に書いたので、ここでは何を使うかに絞ります。トイレ本体を洗うときの洗剤は猫トイレの洗い方で扱いました。
猫に安全なものを選ぶ
最初に決めるのは、猫と人に安全かどうかです。処理したあとの場所を猫が歩いたり、なめたりします。そこで体調を崩す成分が残っていては困ります。
猫に安全な洗剤は、たいてい無香で、酵素系です。酵素は有機物を狙って分解するので、猫の尿のしつこい成分そのものを崩せます。
成分表で見るのはこのあたりです。水、善玉菌(高濃度)、アミラーゼ・リパーゼ・プロテアーゼといった酵素。病原性のない細菌が、尿や便、吐いたもの、よだれの有機物を消化する仕組みです。
安全な洗剤でも、処理した場所が完全に乾くまで猫を近づけないでください。
使ってはいけないもの
成分表に次のものがあれば、猫の尿には使わないでください。
アンモニアには理由があります。猫の尿には尿素と尿酸が含まれていて、細菌に分解されるとアンモニアが出る。これがあのにおいの正体です。そこにアンモニア系の洗剤を足すと、においが強まります。 しかも猫は「ここはトイレだ」と認識し直して、同じ場所でまたします。においの仕組みは猫のおしっこはなぜ臭いのかに書きました。
精油は、猫が一部の成分を代謝できないため、体調を崩すことがあります。「天然由来」と書いてあっても安全とは限りません。
市販の酵素系クリーナー
染みとにおいの両方を落とすなら、酵素系のクリーナーがいちばん確実です。ペット用品店や通販で「酵素」「バイオ」「ペットの尿用」と書かれたものを探してください。
選ぶときは、無香であること、ペットの粗相用に作られていること。それと、成分がシンプルなこと。柑橘系の香りがついた製品もありますが、猫は柑橘のにおいを嫌うので、同じ場所での再発は防げる一方、近くのトイレまで避けるようになることがあります。 使う場所を選んでください。
使い方は、患部にたっぷりかけて、自然に乾かすか、15分ほど置いてから拭き取る。乾かす時間を急がないでください。 酵素が働くには時間が要ります。
家にあるもので作る
手元に酵素系がないとき、あるいは軽い粗相なら、家庭にあるもので対処できます。
酢は、においの元になる細菌を抑えます。重曹は消臭に効きます。オキシドール(3%の過酸化水素水)は色とにおいの両方に効きますが、濃いものは使わないでください。 カーペットが変色したり傷んだりします。
酢と水
ぬるま湯 1.5カップに酢 0.5カップ。混ぜて染みにかけ、3〜5分置きます。新しい染みにも古い染みにも効きます。大理石や石の床には使わないでください。 酸で傷みます。酢の代わりにクエン酸でもかまいません。
重曹
酢で足りないときは、乾いた面に重曹をたっぷり振りかけます。
オキシドールと食器用洗剤
それでも残るときの最後の手です。3%のオキシドール 0.75カップに、食器用洗剤 小さじ1。混ぜて重曹の上からかけ、染みの奥までなじませます。目立たない場所で試してから。 変色することがあります。
そのまま数時間置いて乾かし、重曹を掃除機で吸います。染みやにおいが残っていたら、最初から繰り返します。
自作の限界
酢も重曹もオキシドールも、酵素ではありません。尿酸塩そのものを分解しているわけではないので、乾いて結晶化した古い染みには届かないことがあります。
イーストと砂糖とレモンで酵素系を自作するレシピもありますが、市販品より弱いものになります。何度やっても戻ってくるなら、酵素系の市販品に切り替えてください。
洗剤より先に見ること
同じ場所で繰り返すなら、洗剤の問題ではありません。
まず、スプレーか排尿かを見分けます。立ったまま尻尾を上げて壁や家具に吹きかけるのがスプレー。しゃがんで床に広く出すのが排尿。スプレーなら縄張りの行動で、去勢・避妊で落ち着くことが多いです。フェロモン製品が効くこともあります。
排尿なら、トイレが汚れている、数が足りない、置き場所が合っていない、のどれかであることが多い。毎日片づける、1つ増やす、場所を変える。それで収まることも珍しくありません。粗相の全体像は猫がトイレを使わなくなったときに書きました。
尿に血が混じる、水をよく飲む、動かない、攻撃的になった。こうした様子が一緒にあれば、洗剤を選んでいる場合ではありません。 早めに動物病院へ。
まとめ
- 選ぶのは無香で酵素系。成分は水・善玉菌・酵素のシンプルなもの
- アンモニア系は逆効果。 においが強まり、猫が同じ場所でまたする
- 精油入りは猫に有害なことがある。「天然」でも安全とは限らない
- 自作なら、酢と水 → 重曹 → 3%のオキシドール+食器用洗剤の順。石の床には酢を使わない
- 自作は酵素ではない。古い染みが戻るなら市販の酵素系へ
- 同じ場所で繰り返すなら、洗剤より先に原因を見る