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長年きちんとトイレを使えていた猫が、外でするようになる。高齢の猫を看ていると、これはかなりつらい問題です。一度の粗相で家具が駄目になることもあります。
年齢を人に置き換えてみると、少し見方が変わります。一般的な換算では、12歳の猫は人間でいうと60代半ばにあたります。体も、感覚も、記憶も変わっていく年齢です。
これまで通りが、もう合っていない。そう考えるところから始めます。
何が起きているのか
まず、病気が背景にあることがあります。尿路の感染、糖尿病、腎臓の病気、腫瘍。変化に気づいたら、まず受診してください。
そのうえで、年齢特有の理由がいくつかあります。
関節炎
高齢の猫にはとても多いです。縁をまたぐ、跳び込む、という動作が痛くなります。そして症状が進むと動きが遅くなり、間に合わずにトイレのすぐ横でしてしまうようになります。
清潔さへのこだわりが強くなる
もともときれい好きな猫が、年をとってさらに厳しくなることがあります。片づけが少しでも遅れると使わない。
他の猫との関係が変わる
何年も一緒に使えていたのに、急に嫌がるようになることがあります。
若い猫の側が変わることもあります。入口を見張ったり、出てくるところを待ち伏せしたり。高齢の猫は争いを避けるので、その場所ごと使わなくなります。
目や耳が衰える
見えにくく、聞こえにくくなると、方向がつかめなくなります。認知機能が落ちると、場所を思い出せないこともあります。
かまってほしい
高齢の猫は寝ている時間が長く、決まった場所にいることが増えます。顔を合わせる回数が減るぶん、こちらから構ってあげるのを忘れがちです。
変えすぎないこと
叱るのは逆効果です。本人にはどうにもならないことなので、隠れてするようになるだけです。
粗相が続くあいだは、カーペットのない場所に、一時的な居場所を用意するのも手です。ただし、猫が好きな場所であること、トイレと食事と水への道を塞がないこと、こちらが頻繁に顔を出すこと。すりガラスや網のような、向こうが見える仕切りにすると、家の気配が伝わって落ち着きます。
できること
まず受診してください。変化に気づいた時点で、行動の様子をできるだけ具体的に伝えます。治療で動きがよくなれば、それだけで止まることがあります。
トイレはとにかくきれいに保ってください。片づけの回数を増やす。質のよい砂に少しずつ替える。あるいは、自動トイレに替えてしまう。清潔さが原因ではないか、というところを先に潰しておきます。
入りやすくするのも効きます。縁の低いものにするか、スロープを足す。ここでも古いトイレは残して、隣に新しいほうを置いてください。そして古いトイレの砂をひとすくい、新しいほうに入れます。においが手がかりになります。使うようになってから、古いほうを片づけます。
猫がいる階にも置いてください。階段の上り下りが必要な場所しかないなら、猫が長くいる階にもう1つ置いてください。静かで、扉が閉まらない場所に。
その猫専用のものも用意します。数の目安は頭数+1です。全部を別の部屋に置く必要はありませんが、高齢の猫のぶんは離してください。他の猫から距離を取れる場所にあると、待ち伏せも減ります。
場所は動かさないでください。 目が見えにくくなっても、猫は家の中の大事な場所を覚えています。動かさないことが、いちばんの配慮になります。においが残っていると見つけやすくなります。
混乱が強い場合は、トイレまで連れて行くのも手です。食後や決まった時間に、こちらが誘導すると失敗が減ります。
最後に、一緒にいる時間をつくること。原因が何であっても、ここは変わりません。猫は好きでやっているわけではありません。
自動トイレを使う場合
清潔さが原因なら、自動猫トイレは効きます。使うたびに片づくので、こだわりの強くなった猫でも汚れに当たらずに済みます。他の猫との取り合いも減ります。
入りやすさは別に考えてください。Litter-Robot 4 には補助ステップがあります。取り付け方は補助ステップの取り付けガイドにまとめてあります。
導入するときの進め方も、ここまでと同じです。古いトイレを残したまま隣に置いて、猫が自分から新しいほうを使うのを待ってください。高齢の猫ほど時間がかかります。慣らし方は猫に慣れてもらうにまとめてあります。
使用回数が記録として残るので、「先週から回数が減っている」とあとから気づけます。体調が悪いかどうかまでは判定しませんが、受診のときに伝える材料にはなります。
粗相そのものについては猫がトイレを使わなくなったときに、夜だけ床でしてしまう場合はトイレは綺麗なのに、床でうんちをするにまとめました。
まとめ
- まず受診。関節炎は治療で動きがよくなり、それだけで粗相が止まることがある
- 変えすぎない。 古いものを残して、足す形で変える
- 入りやすくする。同じ階に置く。専用を1つ用意する
- 目が悪くなっても場所は動かさない
- 叱らない。時間をつくる